15 4月

在外研究 in スイス…最初の10日間

4月3日(水),夕方まで荷造りに追われ,タクシーで西宮北口駅(タクシーに荷物が積みきれず,ぼくは電車で駅に)に,そしてそこから空港バスで関空に,数時間のラウンジ滞在のあと,エミレーツでドバイ経由(ドバイでは,娘たちが喧嘩して,妻も私も荷物の受け取りで荷物を取り忘れる小さなアクシデント…どちらも無事にあったが),ジュネーヴにやってきた.ほぼ丸一日かかり,着いたのは現地の4月4日(木)の昼.自分の携帯と空港のWi-Fiがうまくつながらず,アパートへの連絡がうまくいかず,着いてから入室できるまでにしばらく待つなど,疲労困憊.それでも,妻と長女は,近くのスーパーに買い出しに出かけた.

4月5日(金),家の中の片付けや,買い出しなど.また,とにかくケータイの通信を確保しないとということで,スイス第3位(らしい…日本だとソフトバンク的な立ち位置の)Saltにて契約.プリペイド式と月決めで迷ったが,やや割高ながら,しばしばヨーロッパに越境することを予想して,月決め,スイス国内・欧州内でフリーコール・無制限のWi-Fiということで,月々CHF49.まあ,仕方ないところか.同じ建物に入っているスーパーCOOPで,近くのスーパーではないものを購入.夕方は,近くの公園で遊ぶ.夜は,テザリングのやり方がうまくいかず,時間を取られた.もしかすると,オフィシャルな接続法とは違うかもしれないが,まあいいや.

4月6日(土),近くでマーケットが開催される日ということで,マーケットに出かけた.主に食料品などが売られている.近くのスーパーの野菜は,鮮度が今ひとつのものもあるが,ここでブロッコリーやキノコを何種類か購入.ただ,ブロッコリーは硬めで,子どもたちからは今ひとつ不評.キノコはおいしかった.マーケットの値段は,スーパーよりは高め.その後,前日も行った近くの公園に次女と遊びに行く.

4月7日(日),うちは,ジュネーヴの郊外だが,周りの店は,多くが閉店.スーパーも閉まっている.とりあえず,ジュネーヴの街中に行ってみた.そこでは,マーケットが出ており,ちょっとした遊園地もあった.冴えない感じのところではあったが,子どもたちは,いくつかのアトラクションで遊んだ.お昼をその近くのカフェで食べた.ともあれ,日曜日は,かなりのお店が休みになるので,事前の買い込みが必要ということがわかった.この日まで,この日以降も,近くのスーパーMigrosや,少し離れたCOOPには毎日のように行っている.我が家の冷蔵庫である.

4月8日(月),実はまだところによっては,イースター休暇中らしい(うちの娘たちが通う学校もそうである)が,大学の秘書さんからは,この日に時間を取りましょうと言ってもらい,午前中から出かけた.挨拶をし,オフィスに案内してもらった.オフィスは私と妻を含めて4人で共用するとのことだった.建物の最上階なので,周囲にも同じくらいの高さの建物があるが,若干見通しはある.とりあえず,娘たちが学校に通い始めたら,ここに通うことになるのだろう.
その後,アパートのオフィス(居住しているアパートとは別のところにある)に行って,いくつか用事を済ませた.
  

4月9日(火),大学でネットワークの設定などをやってもらう段取りが付かず,天気もよくなくて,この日は,トラムの年間パスを買ったり,家の中で過ごす.娘たちが通う学校の校庭で遊んでよいらしいことがわかったので,天気が回復した夕方に行ってみた.初めて見る遊具で,楽しそうに遊んだ.これから毎日のように,少しずつ遊ぶようになった.

4月10日(水),大学でEric Widmerと十数年ぶりに再会.彼も現在半年間のサバティカル中で,ヨーロッパ各地を駆けずり回っているようだった.この日と翌日だけジュネーヴに帰ってきていて,その合間に会うことができた.図書館を案内してもらった.今,試験期間中とのことで,学生たちが黙々と勉強していた.大学のそばのカフェで少し話をした.ジュネーヴ大学では,半年間のサバティカルだとフルの給与だが,1年間取ると半額になるのだとか.どこもなかなか厳しいようだ.社会科学関係が入っているこの建物内には,カフェが2か所あるが,結構高いので,ランチを持ってきた方がよいとアドバイスを受けた.
Ericと会う前に,研究室のネットワークの配線などをしてもらい,いよいよ研究できる環境は整った.モニターなどももらえた.問題は,メール環境がマイクロソフト系のシステムになっており,どうも,自分のメールソフトは,許可してもらえなさそうだということ.セキュリティは厳しめなのかなという印象.目下の問題は,娘たちがいつから学校に通えるかだ.そうしないと,落ち着いて研究できない.

4月11日(木),イミグレーション関係の書類を送る作業をやらねばならず,一旦大学によって,秘書さんに内容を確認・印刷してもらい,自分たちで署名して,郵便局に出しに行った.封筒1通送るのにCHF1.80.日本では84円だと思うと,3倍以上する.高いなと思いながらも,逆に日本の郵便が安すぎるんだなと思う.
その後,長女のトラムの年間パス(大人料金からの割引率は大きい)を購入し,その近くの公園で遊ぶ.やはり,初めて行く公園は,新しい遊具と出会えるし,楽しそうだった.大人がエクササイズするための遊具(決してジムにあるようなやつではないが)もあった.

4月12日(金),そろそろ生活も整ってきたので,少し遠出して,ルマン湖畔沿いの公園に行ってみた.湖畔の公園にはチューリップが咲いており,海岸には白鳥もいて,気の早い子どもたちは,水に入っているのもいた.うちの子も,裸足になって膝まくりして,少し水の感触を楽しんだ.
 

4月13日(土),そろそろ国境を越えてフランスに行ってみようということになり,買い物とランチを兼ねて行ってみた.国境は,ここが国境なのか,という感じで,特に何か仰々しい施設があるわけではなく,この小さな川を越えるとフランスなのかな?というくらい,どこに国境があるのかもわからないようなところだった.しかし,国境を越えると,お店はユーロ表示になっているし,心なしか,ジュネーヴの街中に比べると,のんびりしている感じだった.子どもたちを公園で遊ばせて,妻は買い物に出かけた.公園の施設は手作り感に溢れており,ここでもジュネーヴの公園とは違うなと感じられた.
国境

4月14日(日),到着してから丸々10日間が経過したことになる.一昨日の湖畔で泳ぎたいという長女の声に応えて,昼過ぎから湖畔の公園に.水着を着て水浴びを楽しんだ.最初はためらっていた次女も,やっぱり入ると言い,水着で少し楽しんだ.数時間いたので,結構日焼けしたかな.

ここまで,日々の暮らしでたいへんなのは,まず,洗濯.一家4人なので,2,3日に1回は洗濯しないといけない.日本にいたときは毎日だったので,回数は減ってはいる.しかし,家の中に洗濯機がなく,共用の洗濯機と乾燥機を使わなければならないのだが,このアパート50軒くらいもあり,満杯状態らしく,それでそんなに大きくない洗濯機2台,乾燥機2台をシェアしているのだ.そういうわけで,深夜(たとえば0時過ぎ)か早朝(たとえば5時),2台同時に使いながら,洗濯に1時間,入れ替えて,乾燥に1時間半と,なかなかしんどい.よそがどうしているのかは知らないけど,あんまり洗濯には頓着しないのか,手洗いをしているのか,ここの人たちの習性はまだわからない.

イースターの時期の関係で,これを書いている4月15日(月)の時点で,まだ子どもたちは学校に行けていない.大学を通じて公立の学校と交渉をしてもらってはいるが,今週中に行き始めることができるだろうか? 来週かもしれない.一応,日本人向けの補習校は,この水曜日から始まる予定だ.ともかく,それまで子どもたちがうちにいるので,およそ研究は進まない.暮らしに追われている感じである.もう少しの辛抱かな.

追記:

日本を出る頃から,花粉症なのか風邪なのか分からないが,今ひとつ調子が悪い,最初は喉,その後は鼻と症状が移ってきていることからすると風邪かな.なので,においに関しては,今ひとつよくわからない.子どもたちは,ところどころで,日本では嗅がないようなにおいを感じているようだが.早く本調子に戻ってほしい.

トイレについて.やはり,日本ウォッシュレットに馴染んでいると,海外生活は辛い.ここに来てから一度出血して,辛いときがあった.日本から軟膏を持ってくることは忘れていなかったので,症状は長引かずにすんだ.これからも何度もあるんだろうなと思うと,日本に帰りたいと思う.ちなみに,7年前のサバティカルの時には,日本人のホストファミリー宅に居候させてもらったので,ウォッシュレット完備で,ほぼ日本的な生活が送れていた.あれは,幸せだったと思う.

こちらに来て,テレビが見られていない.テレビはあるのだが,リモコンがダメ.ボリュームが上がるが下がらない.本体にもボリュームがない.アパートにリモコンを交換してくれるように頼んでいるが,数日間,なしのつぶて.こちらでどういうニュースをやっているのか分からないのが難.

うちにいい椅子といいベッドがない.椅子のクッションがイマイチだし,ベッドは柔らかい.腰が慢性的に痛くて困っている.