スイス(西洋の非ユーロ圏)でユーロ建てで旅行サイトに予約する

今日(2024年11月3日(日))は,全く不本意な一日だった.30分もあれば終わるはずの旅行の予約に丸一日費やしてしまったからだった.妻もあきれ顔.何でそんなことにそんなに時間がかかるのかというのが,何も言わなくても伝わってくる.先日のパリ旅行でも,駅に着いたら,自分の分しかチケットを買っていなかったというようなことをやらかしたので,「また,この人失敗するな」と思われているのだろう.ともあれ,このあまりにも疲弊する経験を,とりあえず書き留めておきたい.最終的な結論だけ見たい人は,一番最後だけ見てもらえばと思う.3ヶ所だけ,太字にしてある.

クリスマス・正月の休暇をどうするかということで,イタリアの某所に行こうということになった.スイスからイタリアは,場所によっては電車で行けるが,その某所は,やはり航空機を使うべき距離である.そこで,ネット旅行会社を使ってチケットを取ることを考えた.航空機と宿泊先の両方である.

日常生活に加えて旅行にも備えて,日本で準備してきたのは,SMBC信託銀行(プレスティア)の銀行口座の開設とデビットカードを用意することだった.この銀行口座とデビットカードは,1年程度の短期海外出張には,とても役立つカードである.
その口座内に,さまざまな通貨が持てて,それをPlusシステムに対応するATMで引き出したり,たとえばスイス内だと,買い物をするときに,スイスフランと円のどちらかを選んでデビットカードで引き落としをすることができる.現在の為替レートではなく,レートのよいときに各国通貨を買っておけば,その分お得にもなる.
スイスに来る前から,スイスフランとユーロをいくらか準備しておいた.先日のパリ旅行でも,このデビットカードが役だった.4日間のパリ滞在で,現金を使ったのは,レストランで決済システムが不調で現金のみとなったときだけだった.
ただ,ユーロをたくさん用意しすぎたこともあり,今度のクリスマス・正月の休暇では,何としてでも,この口座にあるユーロを使いたいというのがあった.これが,話の前段である.

まず,前日(土曜日)に,ある程度のところまで,宿泊先を絞り込み,航空機も往復便はこれかなという目処は立てておいた.あとは,予約するのみということで,日曜日の朝,30分くらいのつもりで取りかかった.はじめに,Expediaから.
これまでも,Expediaには,あまりいい気がしていなかった.どうも通貨の切り替えがうまくいかず,画面上では切り替えられていても,決済時にエラーとなることが多かった.これまでは,諦めて,円建てで決済したりしていたので,ユーロやフランを持っていても使えずにいた.
今回は,相当ねばってみた.Expediaといってもいくつかあって,少なくとも,expedia.com(主として,アメリカで米ドルで決済する),expedia.co.jp(主として,日本で日本円で決済する),euro.expedia.net(主として,ユーロ圏に住む人たちが,ユーロでで決済する)があることがわかり,その連携は,あるようなのだが,挙動がおかしい.たとえば,どこかで「お気に入り」の登録をすると,それが,お気に入り登録をした上記3つのサイトのどこに保存されるのか,よく分からない.特に,私の場合,スイスに住んでいて,日本国籍だから,これまでの利用・登録の履歴から,euro.expedia.netで登録しようとすると,全くできず,expedia.comだったりexpedia.co.jpで登録されるという,何だかよく分からない仕様になっている(今後改善されるかもしれないが,ともかく現時点で).
そして,今回はどうしてもユーロで決済したいので,ユーロ決済が使えるeuro.expedia.netで決済をしようとすると,最後のところで,上述のSMBC信託銀行のデビットカードが通らないという事態に陥った.
SMBC信託銀行のデビットカードは,いい仕事もするのだが,現地で現場での決済ではねられたことはないのだが,ネット通販(amazon.de)やネット旅行会社でははねられることが多い.amazon.de,amazon.frでトラブったことは,以前のブログにも書いたとおりだ.expediaとの相性も悪い.たぶんだけど,欧州で発行されるデビットカードは,IBANなど,欧州ならではの共通システムの上に成り立っているので,欧州圏内で発行されたデビットカードならば,全く問題なく通るのだろうと思う.しかし,SMBC信託銀行のデビットカードは,そういったシステムに乗っかっていないので,通ることもあれば,通らないこともあるという不安定な状況にある.この点は,是非,改善してもらいたいものだ.
カスタマーサービスとチャットしたりして,半日ほど午後まで粘ったが,どうやっても無理とわかり,expediaは諦めた.

次に,夏の旅行で1度だけ使ったbooking.comを試してみた.とりあえず,今回の旅行先でいえば,価格的に分が悪い.expediaの方が安い.それでも,ユーロで決済ができればと思いやってみたが,このサイトも最悪である.
まず,booking.comを開けると,最上部に「Stays, Flights, Flight+Hotel」等々と案内が出る.デフォルトでは,Stays(宿泊のみ)になっている.そして,その近くで,通貨と言語を選べる.expediaと違って,決済通貨を選べるというのはいいなと,一瞬思う.決済通貨をユーロにし,言語を英語にした.ところが,「Flight+Hotel」に切り替えた瞬間,決済通貨の表示がなくなり,言語もドイツ語に切り替わった(たぶんスイス仕様).とりあえずそのまま進んでみると,通貨決済はスイスフランに変わっている.どこかでユーロ決済にできるのかわからないが,上部にbooking.com powered by bravoflyという表示が出ている.おそらく,booking.com自体は,もともと宿泊施設の登録から始まったと記憶しているので,フライトを込みの場合には,別の会社と連携しつつやっているのだろう.ところが,連携はあまりうまく行っておらず,宿泊のみの場合の通貨設定が引き継がれないようだ.というわけで,booking.comも諦めた.もう夕方近い.

また,SMBC信託銀行のデビットカードを実際に使えるかどうかも,依然として不確実である.そのため,Paypalに,そのデビットカードを登録して,「優先」的に使うようにしてみた.デビットカードが直接に使えなくても,Paypalを通じて決済できるところならば,可能性が高まるかもしれない.
ちなみに,このことは,expediaで作業をしているときに気づいたのだが,expediaでは,Paypal決済はできないようだった.ネットを検索していると,決済用のサイトのURLを教えてもらって,Paypal決済できたという話もあったのだが,それについてチャットで聞いてみたが,とりあえず,現時点ではできないらしい.過去にはできたこともあったのかもしれないが.

妻からは,航空機と宿泊を分けたら? と言われたので,その線を探ることにした.しかし,expediaは,航空機と宿泊とがセットになって割り引きとなることもあり,航空機と宿泊を分けると,そんなに安くならない.

航空機については,google flightsを使うといいらしいということがわかり,それで価格比較をしてアテをつけた.
最終的には,ありがちなことかもしれないが,地元スイスエアの直販で買うのが安いらしいということがわかった.まあ,クリスマス・正月という割引の少ない高額な時期ということもあるのか,旅行サイトを通すよりも,直販が安いということなのかもしれない.
ただし,いくつか注意事項もある.google flightsで表示された価格は,そこから飛んだ先の各社のウェブサイトでは,違うこともある.価格だけではなく,条件が違ったり,使用できる通貨がユーロ決済のつもりでも(ふと気づくと)米ドルになっていたりする.
結局のところ,航空会社の直販サイトから購入することにしたのだが,当初,直販サイトを直接見ると,往復でこの組み合わせで行きたいと思っていたのが表示されなかった.しかし,google flightsでは,その組み合わせが出てきて,そこから,直販サイトに飛ぶと,その組み合わせで購入することができた.この点,google flightsには使い途がある.また,Paypalを使うことなく,SMBC信託銀行のデビットカードでユーロ決済できた.

宿泊先については,Paypalが使える宿泊予約サイトを調べてみると,agoda.comなどいくつかありそうで,いくつか価格の検索をして,agoda.comで行くことにした.結果的には,agoda.comでも,Paypalを使うことなく,SMBC信託銀行のデビットカードでユーロ決済できた.
ただ,agoda.comで航空機予約をしようとすると,これまたeDreamsという別の会社と連携しているようで,その会社のサイトに一旦飛んでしまうと,agoda.comに帰ってこない(つまり,結果的に,eDreamsで航空機も宿泊先も取るように仕向けられてしまう.しかも,宿泊先のリストは限られ,しかも高い)という,全く不可解なことが起こった.
ともあれ,agoda.comは,宿泊のみなら使えると覚えておくのがよい.

終わったのは,夕食後.丸一日潰れてしまった.ブラウザの履歴を見てみたら,いろいろ奮闘していて,見ていて自分がかわいそうになった.しかし,妻には,日曜日というのに子どもたちの世話や家事を一切任せてしまった.申し訳ない.
ともあれ,以下では,「ユーロ圏内でない西洋であるスイスから,SMBC信託銀行のデビットカード,もしくは,Paypalでユーロ決済ができること」という,たぶん日本に住んでいる日本人や,ユーロ圏に住んでいる日本人には何も問題にならないが,スイスなど一部の(変な)西洋諸国でユーロ決済したい,そういうことに不慣れな日本人には,役立つかもしれない情報を提供しておきたい.

以下,私が丸一日費やして分かった,ちょっとしたtipsは,以下のとおり.
Expediaはダメ.日本で日本円で決済するとかいうフツウの条件なら全く問題ない.特に,航空機と宿泊先を組み合わせるパターンの場合は,他社と連携したりするのではなく,expediaの中で一括対応してくれるというのは,大きなメリットでもある.しかし,ここに示したような特殊な用途には,うまく対応できないという側面がある.
agodaは,ユーロ決済可能.SMBC信託銀行のデビットカードも使える.ただし,宿泊のみと考える.
google flightsは,とりあえず,航空運賃のアテを付けるのには役立つ.ただし,そこから飛んだ先の各社のウェブサイトでは,価格も違うし,条件も違う,決済の通貨も違うという点には注意すべし.

最終的には,expediaで航空機と宿泊とを込みのセット料金と,ほぼ同じ程度の価格で旅行できることとなった.この点は,執念とでもいうところだが,今回の一連のこと,自己評価としては,10/100点である.成果に対して費やした時間が,あまりにも多すぎる.無様であった.しかも,この文章を夜中に書くのに2時間も費やしたらしい.アホや.