オーディオ一新プロジェクト第3弾.もはやストリーミングの時代,というわけで,ネットワーク・プレーヤーの Bluesound の Node 2i を入れました.
ネットワーク・プレーヤーとは,Amazon Music や Spotify をはじめとする各種ストリーミング音源のコントローラーというようなものです.Amazon Music や Spotify は,曲数は多いです.一方,曲数は少なめですが,MQA方式という最新の音楽ファイルシステムを扱っていて,抜群に音がよいというTidal も聴いてみたい.そうになると,あれこれとサービスに加入したくなったりします.しかし,それらをスマホのアプリからその都度別のサービスを呼び出すとか面倒ですね.それを一元的に管理でき,曲目リストも,さまざまなサービスの音源を織り交ぜて作ることができる.まあ,そんなものです.
その1つ,Node 2i は7万円ほどですが,私が,アンプ Int-25 を買うきっかけの1つとなった Steve Huff さんの Int-25 のレビューでも,彼自身が Node 2i を使っていて,外部DACとつなげば,はるかに高価なものと同等くらいの音になると述べていたり,オーディオファンのコミュニティでも,ノイズ対策などをやると,marantz SA10 という実売で50万円以上のCDプレーヤー兼ネットワークプレーヤーよりもよい音が鳴ると述べていたりするので,俄然,やる気が起こったわけです.
Node 2iを買ってきて,付属のケーブルでつないでみましたが,いや,これで十分でしょうと思うくらい癖のない音でした.また, Node 2i は,MQA方式にも対応していて,Tidal を契約してMasterレベルの音源を聴くと,明らかにレベルの違う音を聴かせてくれました.
さて,上のコミュニティの意見を参考に,電源ケーブル,USBのパワーコンディショナー,各種ケーブル類,どこからイジるか,と考えました.
まず何よりもはじめに,Kindle Unlimited に入って,『電源&アクセサリー大全2020』と『ケーブル大全2021-2022』をじっくり検討しました.
そして,電源ケーブルから始めました.他にもいろんな音そのものの経路になるケーブルがあるので,電源ケーブルで色を付けると,相乗作用でどんな音になるかわかりにくくなるだろうと思ったので,極めてニュートラルな感じの Luxman JPA-15000 としました.
Node 2i付属の電源ケーブルと入れ替えると,いや,確かに変わります.
電源ケーブルで音が変わるとか,オーディオ沼にはまった痛いやつが言いそうなことですが,本当に変わるんですよ.とにかく全体的に音の分解能が上がったのと,全体的に音が太く安定して鳴るようになりました.高・中・低域のどこかが特に鳴るとか鳴らないとかいうこともなく,だいたい思った感じになりました.
続けて,空いているUSBポートに刺してUSBポートから入ってくるノイズを制御するというノイズフィルター.何社かから出ていますが,ノイズキャンセリングの理屈で制御するという理論的に最も納得できた iFi Audio の iSilencer + AA を入れてみました.
Node 2i の使っていないUSBポートに指してみると,変わった.いやもう,完全にマニアの領域ですが,特に高音部の音がスッキリしました.正直言うと,ノイズだけじゃなくて,高音部の実音まで消しているのではないかと思うくらいスッキリして,何かむしろ音痩せしてしまった感じもありました.そこで,一旦外してみたのですが,そうすると,こんなにノイズを拾っていたのかということがわかったので,やはり,これを付けておくことにしました.そのうちこの音が耳に馴染んでくると,こういう音なのだと納得できるようになりました.
ここまでで,音質に悪影響を与えそうなことについて対策できたことになります.そうですね,比較していないのでわかりませんが,これだけで,ずいぶん音はよくなったので,50万円も出すよりは,はるかにお買い得だと思いました.また,ネットワーク・プレーヤーって,これから先も,ずっと新しいサービスや新しいファイルのフォーマットが出れば,すぐにアウトデートなものになるので,気軽に買い換えられるものにしておくのが無難でしょう.その意味でも,これで正解だったと思います.
ここでいよいよ,Node 2i を介したケーブルです.まず,Node 2i は,ネットワークプレーヤーで,Node 2i のRCA out端子から,RCAケーブルでアンプにつなぎます.また,手持ちのCDプレーヤーの光デジタルout端子から,光デジタルケーブルで Node 2i に入れて,そこから,上述のRCAでアンプに行く経路(経路1)を作ります.また,そのCDプレーヤーのRCA out端子から,直接RCAケーブルでアンプに行く経路(経路2)がもともとありました.ただし,経路2のRCAケーブルは,20年前にオーディオを買ったときに,そこの店員さんに勧められたもので,安いものよりは良さそうですが,どのくらいよいものなのかは,分かりませんでした.
最初に経路1を作りました.CDプレーヤーから Node 2i に入れる光デジタルケーブルは,それほど種類もないので,あまり選択の余地なく,Supra ZAC TosLink を入れました.
これによって,分解能が上がり,弦の音が鮮明になりました.他の Supra 製品もおよそ似たような音の傾向を持つように評価をされていたので,予想どおりの変化でした.
続いて,最も大事で最も悩んだのが,Node 2i からアンプ Int-25に入れるRCAケーブルです.ロシアの Tchernov Cable のものを入れると,スピーカーが英国,アンプが米国,ケーブルがロシアとなって,世界平和の音が聞けるかなとかも思ったのですが,いろいろと悩み抜いて,英国 Chode Company の Shawline というグレードのものにしてみました.
すると,素敵な音場ができたのです.それまで,Int-25 アンプについて,いい音で惚れ惚れするんだけど,ちょっと音場が近すぎるので,オーケストラが目の前で鳴るような感じになり,もうちょっと奥に行ってほしいなと思っていました.そしてコードを換えた瞬間,いやもう素敵としか言いようがない音場が現れました.横方向にも縦方向にも広い音場が出現し,大ホールの1階席,S席とA席の境目あたりで聴いている感じになったのです.これで至福の時間が過ごせることとなりました.
ところが,この経路1があまりによくなってしまったので,CDプレーヤーからアンプに直接つながる経路2は,相対的に分解能が低く,いかにも凡庸な感じになってしまいました.しかし,20年前のSACDに突入する直前の Denon のCDプレーヤー DCD-1650SR は,中古でも人気のある機種らしく,当時のCDプレーヤーの中では,分解能も高く,昔のDenonらしい暖かみとパワーのある音が気に入っていて,手放す気にはなれなかったのです.また,ストリーム時代に,今さらCDプレーヤーを買うというのも,いかがなものかという気もしますしね.
そこで,どうせやるなら,逆にとことん癖を付けてやろうと思い,どんな味付けにするかといろいろ考えました.そして,ドイツの DH Labs の Silver Pulse にすることにしました.
すると,経路2の分解能は経路1とほぼ同等となりましたが,音場は横方向はそこそこ広がるけど,縦方向にはあまり広がらない感じになりました.ああ,これが低重心と呼ばれる感じなのかと思いました.音は経路1に比べて狭い範囲からまとめて出てくる感じですが,分解能が高いので,濁ったりすることはなく,これはこれで面白いなと思いました.また,中音の楽器が強さと艶があってよい音です.経路2は室内楽や小編成のジャズとかが得意そうです.小ホールでこういった小編成のものを聴いている感じです.オーケストラを聴くのは経路1が圧倒的によいので,使い分けながら聴くと面白そうです.
というわけで,私の満たされた4月がほぼ終わりました.ゴールデンウィークはステイホームとなりそうですが,ゆっくり音楽を浴びながら過ごせればいいなと思います.
追記:
2系統作ったCDからの音ですが、ピリオド楽器の協奏曲を聴くと、系統2の音がよいです。 系統1は、いわゆる生音に近い音で、ピリオド楽器は、かなりアタックの刺々しい感じがありますが、系統2は丸みが加味されて聴ける音になります。(ピリオド楽器のよさは、系統1に近いのだという意見は、当然あるでしょうけど。)