紀要論文「口承文芸のヴァリアントの類似性と通婚圏との関係:新潟県旧栃尾市で採取された「三枚のお札」の分析」が発行されました

今春発行された紀要論文「口承文芸のヴァリアントの類似性と通婚圏との関係:新潟県旧栃尾市で採取された「三枚のお札」の分析」が,大学のレポジトリで公開されました.

何でこんなものを,と思われるかもしれません.
まず,「三枚のお札」という物語が,とても魅力的です.幼稚園の頃,昔話を覚えてきてみんなの前で発表するというのがありました.そこで選んだのが,「三枚のお札」でした.学研の雑誌の付録のソノシートがあり,これを口調から何から覚えて発表しました.(まさか,YouTubeにソノシートがあがっているとは! 驚いたなぁ.テキストが瀬田貞二さん,語りが宇野重吉さんだったらしい)他の子たちが,桃太郎や浦島太郎やといったものが多かったので,とてもウケて,先生にもほめられて,いい気分になったのを覚えています.(この頃から,読むよりも聞く方が,アタマに入ってくるような気がしていましたが,それは今も変わっていません.)
時は下り,2004年10月,中越地震が発生しました.私は,被災地の1つである栃尾市(現,長岡市)で研究をすることにしたのですが,このとき,『栃尾市史』の1巻として,水沢謙一氏が市内で収集した「三枚のお札」だけを集めた資料集があることに気づいたのです.「三枚のお札」が大好きだった私は,それを1部買い求め,これを社会学的に処理することはできないかと考え始めました.
ピンときたのが,社会ネットワーク分析における情報伝播の理論です.昔話って,どうやって伝播するんだっけ? おばあちゃんたちが,孫に伝えていくという話は聞いたことがあるな.とすれば,地理的な分布と関連があるかもな.ということで,あとは,関心のある方は,本文を読んでみてください.

私としては,たとえば,文学研究者なら,こうはしなかっただろうな,と思えるものにしたいという気持ちがありました.結構うまくいったのではないかと思っています.
ただ,言語学(日本語学)の作法を知らないので,こういうコーディングの処理で納得してもらえるのかどうかについては,あまり自信がありません.だいたいこんなもんだろうという感じで処理をしてしまったところがあります.私は常にオープンマインドなつもりですので,何か問題があればご指摘いただけるとうれしいです.
すでに何年か前に,論文としては形になっていたのですが,粗削りなのはわかっているので,投稿論文にするのを躊躇しているうちに,年月が経ってしまいました.そのようなわけで,今回とりあえずこのような形で出すことにしました.楽しんでもらえればと思います.

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