15 3月

辻竜平・佐藤嘉倫編著,2014,『ソーシャル・キャピタルと格差社会:幸福の計量社会学』(東京大学出版会)が,第13回「日本NPO学会優秀賞」を受賞しました

辻竜平・佐藤嘉倫編著,2014,『ソーシャル・キャピタルと格差社会:幸福の計量社会学』,東京大学出版会 が,第13回「日本NPO学会優秀賞」を受賞しました.
選考していただいた委員の方々,共同編者の佐藤先生,執筆者の皆様にお礼申し上げます.

佐藤先生を通じて,内々のお知らせが入ったのが3月2日(月)の夜でした.その夜,編集者・執筆者にメールを回し,みんなで健闘をたたえ合いました.
いつもの勝手知ったるメンバーで科研費(基盤研究(B))「地域間格差と個人間格差の調査研究:ソーシャルキャピタル論的アプローチ」(2010~12年度)をいただき,かなり精力的に調査を進めました.その3年間に他のファンドでの調査も含めて3つ(本書での数え方としては4つ)の調査をやりました.本書はその成果です.科研代表者としては,かなり無理なスケジュールながらきちんと調査を遂行でき,また,その後も各人が分析と執筆を進めてもらうことができ,何とか本書を上梓できた2014年6月には,それなりに大きな達成感を得ていました.
今回,こうしてさらに賞をいただくことができ,たいへんうれしく思っています.東京大学出版会の編集者の方々を含め,本書に携わっていただいた方々に改めてお礼を申し上げたいと思います.

若干の恨み言を言えば,アマゾンでは,まったく言いかがりとしか思えないようなひどいレビューを付けられ,私も黙っておれずにコメントを付け返すなど,かなり憤慨し落ち込んでもいました.しかし,こうやって過分とも思えるほどの評価もしていただき,真面目にやっていれば,拾い上げてくださる人もいると認識を新たにしました.
また,某所に書いたことでもありますが,本書は,クラシック音楽で言えば,ショパンのソナタ第2番のようなものかなと思っています.この曲に対して,シューマンは,「ショパンは乱暴な4人の子供をソナタの名で無理やりくくりつけた」と評したと言われています(文は,ウィキペから).この本は,まさにそういう類のものだったと思います.全体の構成はある程度考えていたものの,各人に自由に書いてもらった各章は,かなりバラバラ(言いようによっては,多様)で,12個のベクトルは,あっちを向いたりこっちを向いたり,一見とりとめがないように見えます.それを編者2人の力業で一まとめにしたという感じがしています.それでもなお,お行儀がとても悪いように思われます.そんなお行儀の悪いものを高く評価していていただけて,本当にありがたく思っています.

それにしても,間抜けではあります.実は,本書の授賞式は3月14日.日本NPO学会の大会にてというご案内をいただきました.しかし,当日は,本書の執筆メンバーのほとんどが出席する数理社会学会ともろかぶり.やむなくというか無理を申し上げて,東京大学出版会で本書の編集を担当していただいた編集者の方に,授賞式に出ていただきました.ああ,受賞なんて,この先もうないんじゃないか.そう思うと,卒業証書とかではない賞の授賞式で授与されるという体験をしたかったなとも思います.
そんなわけで,同日夜,学会が行われている久留米では,共同編者の佐藤先生と,おしゃれなバーで夜遅くまで祝杯を酌み交わしました.おいしいお酒が飲めて幸せでした.

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